① 言いたいことを英語で言えるようになるには?


  • 興味のある内容について作文すること。

  • 短くてもいいから英語で日記をつけること。

  • 自分自身を初対面の人にうまく紹介できるように筋道を立てて考えてみる。

  • 基礎的な文法は絶対に知っておくこと。


まずは、あなたの英会話を上達させるためには「伝えたい内容」がないと何も話すことができないのですが、そのことについてじっくり考えてみたことはありますか?絵の題材として描きたいものがないのに、絵筆を持ってキャンバスの前に座っても筆が進まないのと同様に、話したい事柄や話す内容がなければ英語を話すことはできません。とにかく日頃から自分の関心ある事柄について多くを作文することが重要です。

例え3行の日記でも構いませんので、自己表現能力を養いましょう。

トロヤ遺跡とミケネ遺跡を発掘したことで知られるドイツの考古学者シュリーマン(1822-90)は天才的な語学学習法を編み出して、実践で証明してみせたことでも知られています。彼は生涯で14カ国語を身につけ、それぞれの言語で自由に話し、読み書きすることができたといいます。

彼の学習法も「思ったことを書いてみる」ことの重要性を示しています。『・・・つねに興味ある対象について作文を書くこと、これを教師の指導によって訂正すること、前日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦することである。』また、言語学者鈴木孝夫氏が中国で使用されている外国語テキストブックを対象に調査を行ったときに、日本の語学教材に見られない傾向を発見しました。

中国の外国語教材(主に英語とロシア語)の内容は、中国の文化・歴史・風土・政治など自国に関することばかりであるが、他方、日本国内で使用されているテキストが扱う内容は、外国の未知の文化や風習についてばかりで、自己との関連性が著しく低いという相違が観察されたのです。

英語圏の中国人留学生は、大抵自分の文化について堂々と英語で語ることができるのですが、片や日本人留学生は日本の地理や歴史について英語で全然説明できないばかりか、自分自身についてさえも満足に語ることができない現実があります。

この弱点を克服する上で、鈴木孝夫氏の主張する「自己発信型の英語」を獲得することは非常に重要な役割があると考えられ、それゆえに興味のある事柄を英語で作文することが大切になります。

自分の生活や興味に関連の薄い内容は概して頭に入りにくいものであり、その点でも自己発信型の英語は大切です。

ソニー創業者の井深大氏の通訳を担当した浦出善文氏は著書の中でこう述べています。

『本当に英語でコミュニケーションする能力を身につけたかったら、何よりもまず「自分の話したいこと(話す必要があること)」に限って教材を選び、それを集中的に練習することだ。自分にとっては興味もなければ必要性もない「総花的」な英会話教材を使ったとしても焦点がぼけてしまうだけで、頭の中には結局、何にも残らない。英語によるコミュニケーション能力を習得したい人が学ぶべきことは、学問や教養としての英語(学)ではなくて、「自分の言いたいことを英語でどう伝えるか」という方法であり、技術なのである。』

キーワードは自己表現能力です。自己のアイデンティティや興味を英語で大量に書きまくりましょう。

英訳ではありません。誰かの書いた日本語を英語に翻訳するのではなく、自分自身の事柄を英語で作文するのです。

そして考古学者シュリーマンも主張するように、書いた後は必ず文章能力のある人に作文をチェックしてもらい、正しい文をひたすら実用レベルまで読む練習をして覚えることが重要です。

訂正されることは何よりも大切です。日本人が正しく日本語を話せ、アメリカ人が英語を正しく話せるのは、小さい頃から間違う度に親や先生に直され続けた結果であることを忘れないでください。

私はチョムスキーの生成文法は部分的に認める立場を取っていますが、言葉というものは必ずしも「自然」に習得されるものではありません。あくまで後天的に「人為的」に学習されて得られる能力なのです。その結果、「自然」に話せるようになるのです。

また、より美しく説得力のある文章を書くためには、どのレベルの英語学習者にとっても文法は非常に重要です。

特に基礎的な文法の知識は決しておろそかにはできません。一週間程度の海外旅行を楽しむだけであれば、特に文法は必要ではないのですが、英会話をしっかりと覚えたいのであれば、基礎的な文法は絶対に必要です。

基礎ができている学習者の英会話上達スピードは、そうでない人とは比較にならないぐらい速いものです。中学英語の文法に自信のない初級者は急いで総復習を行いましょう。

中学英語のドリルを1年から3年まで一気にやりぬいてください。

ドリルをやるときは、ノートに答えを丁寧に書いたりして時間を浪費しないことが重要です。

どうせ2度目はやらないので、問題集に直接書き込みましょう。

問いを10秒間見て答えが解らないときは、あと何分眺めても大抵解らないものです。そのような場合は、割り切って問題集の答えを写してください。

この勉強の目的は基礎的な文法知識を短期間で思い出すことで、受験勉強ではありません。各学年それぞれ1週間~2週間で仕上げましょう。


ツジイイングリッシュスクール代表
英語発音道場升砲館館長
ショーン・ツジイ


■参考文献

ハインリヒ・シュリーマン (1954)『古代への情熱 シュリーマン自伝』 岩波書店
鈴木孝夫 (1999)『日本人はなぜ英語ができないか』 岩波書店
浦出善文 (2000)『英語屋さん―ソニー創業者井深大に仕えた四年半』 集英社

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